ストレスと身体の関係

 

 

ストレスが身体に及ぼす影響については、皆様もご存じのことが多いかと思います。

 

緊張して胃がムカムカする、怒りで血圧が高くなる...などのイメージでしょうか。

 

 

今回はストレスが身体に及ぼすメカニズムや疾患との関係を解説していきたいと思います。

 

 

■用語

ホメオスタシス・・・身体を環境に適応させ、一定に保つための機能

「自律神経系」「内分泌系」「免疫系」がホメオスタシスの三大機能

 

ここでは主に、自律神経系から出るホルモンと、内分泌系から出るホルモンについて説明していきたいと思います。

 

 

ストレスを脳で感知すると、間脳の視床下部から視床下部からはCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌されます。

 

自律神経がCRHに促されると、交感神経からノルアドレナリンが分泌されます。

 

さらにその刺激を受け、副腎髄質からアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されます。

 

特にアドレナリンの分泌は、体の各器官に血管の収縮・瞳孔の散大・血圧の上昇・心拍数の増加などを促進します。

 

 

また内分泌系では、CRHの刺激により、視床下部の下にある脳下垂体という部位からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)と、

脳の神経細胞間の情報伝達を担う物質の1つ、β-エンドルフィンが分泌されます。

 

β-エンドルフィンは、痛みや不安、緊張を和らげる作用があり、脳内麻薬と呼ばれていることで有名かと思います。

 

またACTHは、副腎の副腎皮質という部分を刺激して、コルチゾールというホルモンの分泌を促進し、それにより代謝活動や免疫が活性化されます。

 

 

これらのホルモンは私たちの生命維持に欠かせませんが、近年のストレスの増大によってこれらのホルモンが過多になり、

心身の負担となることが問題視されています。

 

例えば、高血圧や血糖値が高い状態が続くと、疾患・脳血管疾患・糖尿病など成人病になる確率が高くなります。

 

また、もともと持病がある方は、さらに悪化する可能性もあるでしょう。

 

 

ストレス過多が身体に悪いと言われるのは、このようなメカニズムがあるからです。

 

よくストレスはうつ病などメンタル疾患との関係をイメージしがちですが、身体の疾患とも深い因果関係があることを理解し、

健康管理の面でもストレスを適切にコントロールしていきましょう。

 

 

 

 

 

 

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