ストレスとは何か?を知るためには、ストレスの発生メカニズムを理解することは欠かせません。
今回はストレス発生メカニズムについて解説していきたいと思います。
ストレス理論では、いろいろな出来事と、人間の行動や心身の反応との関係を、図1の様に説明されています。
人間は、人生の中で様々な出来事(ストレッサー)に遭遇しますが、その遭遇した出来事が自分の対処能力を超えた脅威であると感じる時に、ストレス反応と呼ばれる症状や行動を生じさせると言われています。
ストレス反応は、長時間や強いストレッサーの刺激を受けた場合に起こる生体反応です。
この生体反応は、生体にとって有害な出来事に出会った時など、危険から身を守るための心身の防御反応で、自然なことです。
ストレッサーに対する個人のストレス耐性はもちろん、ストレッサーの種類が複合的に組み合わさるケースもあるため、ストレス反応として現れる症状も個人差があります。
ストレッサーの種類に関係なく、心身に同じ反応が起きること、症状が全身におよぶことから「汎適応症候群」とも呼ばれています。
主なストレス反応は、心理的、行動的、身体的反応として現れます。
①心理面の反応
情緒的反応として、不安、イライラ、恐怖、落ち込み、緊張、怒り、罪悪感、感情鈍麻、孤独感、疎外感、無気力などの感情が現れる。
心理的機能の変化として、集中困難、思考力低下、短期記憶喪失、判断・決断力低下などの障害が現れる。
②行動面の反応
心理面の反応は、行動面の変化としても現れる。
怒りの爆発、けんかなどの攻撃的行動、過激な行動、泣く、引きこもり、孤立、拒食・過食、幼児返り、チック、吃音、ストレス場面からの回避行動などが現れる。
③身体面の反応
動悸、異常な発熱、頭痛、腹痛、疲労感、食欲の減退、嘔吐、下痢、のぼせ、めまい、しびれ、睡眠障害、悪寒による震えなど、全身にわたる症状が現れる。
ここまでを簡潔にまとめると、以下となります。
・ストレスのメカニズムは、①原因②認知③反応の3段階と理解する。
・様々なストレッサーが組み合わさっている場合や、個人の耐性など、ストレス反応には個人差がある。